独り言 2020年の総括

今日は大晦日、今年一年を振り返りたいと思います。

2020年は僕にとって記念となる年となりました。
37年間勤めた会社を退職して独立起業、そしてエリアトラウトスプーンを作り始めた。
人生の中で最も大きく変化した、成長した年だと感じています。


スプーンメーカーとしての独立起業は2年くらい前から具体的に考えていて、2019年の後半にはビジネスモデルが完成し事業計画もまとまっていました。今、TROUT SPOONS Lab が展開しているコンテンツ、開発の手法だったりスプーンをロジカルに捉えて泳ぎを分析して、その情報と製品をセットにしてお客様に提供するサービス、これらはこの事業計画にすべて盛り込まれていました。
事前検討は出来ていてもそれが現実に可能なのか否かはやってみるまで判らない訳で、実際にチャレンジして成し遂げてこれたことが今年一番の僕にとっての収穫といえます。

例えば 3D-CAD を用いたスプーンの設計と、そのデータを基にした CNCフライス加工による試作品の製作。
上手くいく保証は何もない中で、独学でその扱い方を習得して試作を実現。
そして、TROUT SPOONS Lab のものづくりの方法と製品をセットで具体化することが出来ました。

そして、試作品のブラシアップ。
泳ぎのメカニズムを自分が咀嚼するために纏めて、その考えをベースにデザインして具体化して泳ぎを修正していく。
その作業を繰り返す中で、スプーンの特性の肝になるところを少しづつ理解して、そして「 saji 」を完成させることが出来た。


7月には、一つ目の夢である「自分のスプーンをつくる」ことが出来て、そして二つ目の夢「自分でつくったスプーンで魚を釣る」ことを実現することが出来ました。嬉しかったのはもちろんですが、「自分のやり方でスプーンブランドを作ることが出来る」、そう確信することが出来ました。

そして7月末から instagram に TROUT SPOONS Lab として投稿を始め、たくさんの方に見守られて僕自身も、そしてブランドとしても成長することが出来た。どんなに良いモノを作ったとしても独りよがりでは何の価値もありません。まずは投稿という情報としてですが、多くの方たちに僕のコンセプトやものづくりに関心を持ってもらうことが出来た。組織から離れて孤独もたくさん感じましたが、見守ってくれた仲間や instagram で知り合った人たちに助けられてここまで来ることが出来ました。

そんな中でもう一つ心に残っているのは「良いスプーンとは何か?」という僕にとっての禅問答について、自分なりの答えを見つけることが出来たことです。これは僕のスプーンを作る中で知り合った多くのエキスパートの人たちに「 saji 」を試して頂いて、「 saji 」の扱い方を客観的に見ることで出来たからで、どんなにテストを繰り返しても僕独りでは知りえることは出来なかったと思います。
TROUT SPOONS Lab にとって「良いスプーンの定義」を持てたことは、ブレの無いブランドとしての強みとなりましたし、何より作り手として自信を持つことに繋がりました。僕自身の「 釣り 」も大きく成長することが出来ました。


そして12月21日にWebショップをオープン。
三つ目の夢であった「僕のスプーンをたくさんの人に提供する」ことを実現し、そして四つ目の夢「 saji 」をご購入いただけたお客様の釣果というアウトプットで「僕の作ったスプーンで笑顔を生む」ことが出来ました。

仕事の成果とは何か?
僕は社会貢献だと思っています。
僕がスプーンをつくることで、そして僕が情報を発信することで、人に喜んでもらいたい。
「 saji 」を通してたくさんの人を笑顔にしたい。
それが僕の仕事の成果だと思っていて、来る2021年はもっともっとたくさんの人に「 saji 」を使ってもらって、喜んでもらえる年にしたいと思っています。

新型なんちゃらのせいで、なかなか思うようにいかない現在ですが、世情をみつつ来年には「 saji 」のユーザー様と交流できる機会を設けたいと思いますし、「 saji 」を試してもらえる機会を何らかの方法で提供していきたいと考えています。

僕を見守ってくれた沢山の方に感謝を申し上げて、TROUT SPOONS Lab の2020年を〆たいと思います。

2020年、本当にありがとうございました。

TROUT SPOONS Lab
秋山 徹