自然観察記 上田市 塩田平

ちょっと釣りから離れたお話です。
プライベートな事情から長野県上田市に良く行きます。自然の魅力に溢れ、そして歴史のある素敵な地域です。
今回はその上田市にある塩田平の、その一角を散策した記録をお届けします。

塩田平ってどこ?

塩田平は信州の鎌倉とも言われ、長野県東信地方上田盆地の千曲川左岸にある河岸段丘の地域です。
周囲を山に囲まれた盆地に、別所温泉と複数の寺院、ため池とローカル鉄道があるのどかなエリアです。
今回はその塩田平の一部「生島足島神社」周辺をカメラ片手に歩いて散策してきました。

歩いて感じた塩田平の魅力

周囲を山に囲まれた盆地の景色には自然の美しさが凝縮された印象があります。


盆地の中の高台に立つと塩田平の全景を眺めることが出来て、盆地にちりばめられた家々や田畑、遠くに見える別所温泉、その中を走る可愛らしい列車、その風景は等倍のジオラマを見るような感覚でした。河岸段丘でつくられた盆地という地形があってこその風景だと感じました。
風景ってそこに暮らしていると当たり前の光景となってしまい感動は薄れがちですが、歩いてゆっくりと巡ってみて素朴な風景の中にある美しさを感じることが出来ました。

この季節が故の、田んぼの景観が素晴らしかったです。


ちょうど稲刈りとタイミングが重なったおかげで、稲のある田んぼ、稲刈りの終わった田んぼ、収穫した稲の様子、を観ることが出来ました。
私の住んでいる佐野市も同様で自宅の近くには広大な田んぼがあるのですが、塩田平の田んぼは河岸段丘の地形のなかに設けられているところもあって、棚田とまではいかないものの穏やかな起伏の中にある田んぼの景観は眼を愉しませてくれました。


そんな中で見つけたのが親子の案山子です。「おじいちゃんの農作業を孫が手伝っている」そんなイメージでつくられた案山子だと思うのですが、リアルさが程よく背景の田んぼとマッチした、とても良い創作でした。

自然の多様性を実感できました。


道路を歩いていると、クルミの殻が路上に落ちていました。また、田んぼの畔には真っ赤なザリガニの死骸がたくさんありました。
これらはカラスの仕業と思うのですが、僕の暮らしている佐野市では見かけません。
動物にとって暮らしている自然環境は風土であり、彼らの行動に直結するものと思います。もしかすると遺伝的に伝えられている食性なのかも知れません。ゴミの多い街ではカラスはゴミをあさり、クルミやザリガニが多い塩田平のカラスは自然の恵みをあさる。
塩田平に暮らす動植物たちも、その自然環境に染まって生きているのでしょうね。


塩田平にはため池がたくさんあるのですが、そこは水鳥の宝庫でした。また猛禽類の鳥もたくさん見かけました。ザリガニもそうですが、豊かな自然環境があるから多様な生物がいるのだと思います。

日本の美しい歴史を感じました。


信濃屈指の古社である「生島足島神社」は、中に入ると気持ちが凛として背筋が伸びたように感じました。
丁寧に保存維持された建物や、手入れの行き届いた庭園など、見所がたくさんありました。


学校前駅の東側を散策していて「八幡大神縣社」という神社を見つけました。宮司がいるような神社ではないようでしたが、街並みに溶け込む感じで、素朴で良い雰囲気でした。門前には大きな石灯篭があり、そこに書かれている書「善をおさめ、洪福を生む」は勝海舟のものだそうです。

まとめ


10kmほどの距離をカメラ片手に歩いてまわったのですが、思った以上に見所が多かったです。
「気付きを得るためには、気付くための行動が必要」なのだなぁ、と普段の行動の狭さを後悔する良い機会となりました。
歴史の説明や詳細な説明のない、たわいのない内容となってしまいましたが、拙い文章と写真から僕が感じた塩田平の素晴らしさが少しでもお伝えできればなと思います。僕は改めて自分の郷土の素晴らしいところを探してみようと思いました。


今回参考にしたサイトをリンクしておきます。
・上田市ホームページ 「信州上田観光情報」
・信州最古の温泉 別所温泉 「別所温泉の観光案内 > 塩田平(信州の鎌倉)の観光」
・FC2ブログ らんまる攻城戦記~兵どもが夢の跡~ 「木曽義仲伝承の地巡り② 依田窪周辺(上田市御岳堂)」